＜デザイナーの皆様＞　
　

１）椅子や自動車等のデザインである産業デザインについて独占権を取得するためには、原則としてその産業デザインが公開される前に（守秘義務を有する者だけが知っている状態で）、特許庁へ意匠登録出願する必要があります。
　但し、その産業デザインを創作者が自分の意思で公開した場合には、例外としてその公開の日から６ヶ月以内に所定の証明書の提出と共に意匠登録出願すると意匠権が取得できる場合があります。


２）一方、産業デザインについては原則として前記の意匠登録でしか保護を受けることができませんが、芸術性の高い創作物のモチーフ、例えば動物のキャラクターを創作した場合には、この動物のキャラクターについては著作権で保護を受けることができる可能性があります。この著作権は、意匠権とは異なり前記動物のキャラクターを創作した時に著作権が発生し、特に行政庁へ登録の手続をする必要はありません。それが故に、権利の発生が不明確ですので、出所のわからない著作物を利用するのはリスクのある行為であると思われます。


３）デザイナーの方は、依頼者と契約書を交わすことは少ないようですが、やはり自分の利益を守るという観点からは、合意事項について契約書を作成されておかれた方がよいと思われます。正式な契約書を作成するとなると、依頼者に引かれてしまうかもしれませんが、その場合には作成手数料及び権利の帰属などの重要な事項についてだけでも覚書という形で書面を交わされておかれることをお勧め致します。

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